今回はベタ雪やストップ雪などの春雪用のワックス処理について詳しく解説します!
メンテナンスをまだしていない方は、ぜひ参考にしてみてください。
春雪は、ザブザブの汚れ雪です。滑ればゲレンデが綺麗になるほど、汚れています。
そこで、しっかりとクリーニングをしたあとに、下地のワックスを入れて、春雪用のワックスをかけていきたいと思います。
滑らない雪の環境なの中でワックス処理をしっかりと行うことで、滑る滑走面で、1日楽しく遊べる環境を作っていきましょう。
全体の工程の流れを紹介します。
1、クリーニング
↓
2、ベース作り
↓
3、滑走面づくり
の流れで作業をしていきます。
動画でご覧いただきたいはこちらをご覧ください。
解説のポイントをテキストでまとめていますのでスクロールして、春用のワックス処理について学んでください。
1.クリーニング
工程1:汚れを掻き出す
まずはじめに、スチールブラシで汚れを掻き出していきます。
スチールブラシまたはブロンズブラシを使って、体重をかけながら一定方向に掻き出していきます。これだけでも若干艶が出ると思います。
工程2:汚れをワックスで取り除く
浮いた汚れをワックスで取り除いていきます。
KUUの「MACH HIGH FLUORO WAX 【イエロー】」がおすすめです。汚れ取り・ベース・滑走のワックスとして使用できるので万能!
①ワックスをボード全体に染み込ませる
ワックスをあたためたアイロンにあてて、溶かしながらボード全体に垂らします。
その後、アイロンにペーパーをつけて、ワックスを浸します。滑りやすくすることで、ボードが焼けるのを防ぎます。
温度は約120度。アイロンで垂らしたワックスを伸ばしていきます。体重はのせずに、ノーズからテイルに一定方向に軽く滑らしていきましょう。
★POINT★
強くこすらず、一方向に滑らす
②ワックスをはがす
スクレイパーを使って、ワックスを剥がしていきます。
みなさんの汚れはいかがですか?
本来であれば、これでクリーニングは終了です。
が・・・!今回のように汚れがひどい場合は、もう一度繰り返しましょう。
2.ベース作り
ボードにベースを入れていきます。
ベースワックスは硬めのワックスが多くありますが、KUUの「MACH HIGH FLUORO WAX 【イエロー】」は入りやすく滑走面が焼けにくいので、今回もこちらを使用していきます。
(クリーニングで板があたたまっているので入るのが早いです!)
この状態で2~3時間置きましょう。
3.滑走面作り
ベースが完成したら、滑走ワックスを塗っていきます。
気温や雪温が高く、雪が緩んでくる時期でもフッ素ワックス、KUU「MACH HIGH FLUORO WAX 【イエロー】」であれば十分滑ることはできますが、汚れてしまうと滑りにくくなります。
そこで今回は、汚れがつきにくく1日中滑ることができるグラファイトを塗って、その上にローフッ素ワックスを塗っていきたいと思います。
★POINT★
●グラファイト:汚れがつきにくく、帯電しにくい=1日中安定して滑ることができる
●ローフッ素:よく滑るが、汚れると滑りにくくなる
今回は両方使って滑走面を作っていきますが、正解があるわけではありません。どのワックスを使おうかなと考えることすら楽しみながら、メンテナンスしてみてください。
工程1:ベースを剥がす
スクレイパーを使ってベースのワックスを剥がします。
「スクレイピングはどこまですればいいのでしょうか。」とよく聞かれますが、
ズバリ・・・!
とことん削り取って、なるべく薄くしてください!
判断基準としては、表面がフラットに近いこと。
ボードの端は、強くこするとスクレイパーが傷ついてしまうため、軽く落とすくらいで大丈夫です。
工程2:整える
ナイロンブラシで滑走面を整えます。
ベースワックスを定着させるために、ボードがたわむくらい体重をのせましょう。
工程3:滑走ワックスを塗る
①グラファイトを塗る
ワックスを110~120℃のアイロンで溶かしながらボード全体に垂らしていきます。生塗りでもOKです。
その後、ペーパーにワックスをなじませてボード全体に広げていきます。体重を軽くのせながら滑らしましょう。
次に別のワックスを重ねる場合は、1~2時間置きます。融合しないように、できるだけ時間を置いてください。
②ワックスを剥がす
ワックスをスクレイパーで剥がしていきます。
③ナイロンブラシで整える
ナイロンブラシを使って、滑走面を整えます。
④フッ素ワックスを塗る
グラファイトを定着させた滑走面にKUUの「MACH HIGH FLUORO WAX 【イエロー】」を重ねていきます。グラファイトと同様に、ワックスをアイロンで溶かしながらボード全体に垂らしましょう。
今回のワックスはほとんどはぎとってしまうため、生塗りをおすすめします。ワックスをアイロンにあてて表面をあたためたらそのままボードにあててボード全体に染み込ませていきます。
表面だけしっかりのってれば問題ないですが、一応アイロンで定着させます。薄い部分だけアイロンのかけすぎに注意してください。パチパチという音や煙は論外です。ゴシゴシこすらず、軽やかに滑らしましょう。
ワックスを塗り終えたボードは、物置ではなく、あたたかい部屋で保管してください。そして、滑る前日に仕上げをし、メンテナンス完了です!
4.仕上げ
滑る前日に、滑走ワックスをスクレイパーで剥がし、ナイロンブラシ⇒馬毛のブラシで表面を整えて、フィニッシュマットでおさえればいよいよスタート!
いかがでしたか。メンテナンスは難しそう・・・と不安に思っていた方もまずは実際にやってみてください!案外簡単にできちゃいます。
今回ご紹介したものも一例で、正解があるわけではないので、いろいろ試していただければと思います。それも含めてスノーボードの醍醐味です。
春用のワックス処理実践動画
春を楽しむためのワックス処理の動画です。